「Oから1」の発想術 大前研一
国民国家の終焉→富の創出源泉が「個人」に
会社が個人にとって代わる時代になるので、0から1を創造する力が各々に必要
0→1に必要なフレーム
①SDF/戦略的自由度(Strategic Degrees of Freedom)-消費者ニーズを捉える
=戦略を立案すべき方向の数
=ユーザーの目的を満足させる方法をできるだけたくさん抽出しその中から競争相手が追随できない戦略的に有意になる方策かつ持続できる方策を講じる
〈失敗例〉・シャープの液晶テレビ(亀山モデル)が解像度(←ユーザーの求めていない細かな技術に注力した失敗)にこだわった結果、コモディティ化した。
〈成功例〉・フィリップスが「おいしいコーヒーを淹れる」という目標設定をした結果、コーヒーの味の一番に決め手が水質と粒ぞろいと熱湯を注ぐまでの時間であることを発見し、コーヒーメーカーが備えるべき機能を整理した。
◎ユーザーの目的を考える
◎目的を達成するいくつかの方法(軸)を設定する
◎軸に沿ってどんなことができるのかを検討する
②アービトラージ(Arbitrage)-情報格差こそがビジネスチャンス
〈成功例〉・アパレルにおいて卸問屋や商社を通すのが当たり前だった当時、中国で製造するSPAが可能だと分かっていた(←情報格差)ユニクロが成功した ex)IKEA、ニトリ
◎情報格差でサヤを抜く
◎固定観念にとらわれず、外からものを見る
③ニュー・コンビネーション(New Combination)-「組み合わせ」で新たな価値提案
◎既存の2つのものを足してみる
◎足したことで、価値と価値がいかに変化するか
④固定費に対する貢献(Contribution to the fixed cost)ー稼働率向上と付加価値の両立
◎「固定費」を遊ばせていては、利益は生まない。稼働時間を分析して混んでいない時には値段を下げてでも稼働率を上げる
◎稼働率を上げるには、ナローキャスティング、ポイントキャスティングの方法で顧客をシールドする。セグメント
⑤デジタル大陸(Digital Continent)時代の発想ー高速化した変化のスピードについていく方法
◎個々のデジタル機器がインターネットなどによってつながり、「デジタルアイランド」が、「デジタル大陸になりつつあるという現実を認識する。
◎その上で、「5年語の生活・ライフスタイル」を想像し、そこからサービスや商品に落とし込む
⑥早送りの発想(Fast-Forword)ー「兆し」をキャッチする重要性
◎すべての「新しい概念」は、すでに存在している(世界のどこかにある)と考える。
◎小さな「兆し(=ヒント)」を捉えて高速の早送りを行い、来るべき未来を想像する。
⑦空いているものを有効活用する発想(Idle Economy)ーUber、Airbnbもこの発想から生まれた
◎既存の思考にとらわれず、360度の視野で「空いているもの」を探す。
◎「働いていない」「使われていない」「空いているもの」を有効活用する。そのためにはネットを使ってユーザーとサービスを結びつける
⑧中間地点の発想(Interpolation)ー「業界のスタンダード」を捨てる
◎AとBという2つの方法がある場合、その中間地点でポジショニングすることで、差別化を図る。
◎折衷案ではなく、大きな枠の中にスイートスポットを見つける。
⑨RTOCS/他人の立場に立つ発想(Real Time Online Case Study)
◎他人の立場になって徹底的に考えることで、思考回路が劇的に変わる
◎ROTOCSは4~5人でアイデアをだし合ってブレーンストーミングをしたほうが発想が広がる
◎行き詰まった場合には上のレベルで考える
⑩すべてが意味するところは何?(What does this all mean?)-発想の飛躍が息の長いビジネスを生む
◎A、B、C…と各論が出てきた時に、「What does this all mean?(それらすべてが意味することは何なのか?)」という質問をぶつける。
◎この質問によって、A、B、C…各々の事象のそれらすべてを意味している「X」を見つけ出す。
◎A、B、C…という事実を足し合わせて結論を得るのではなく、「X」へと発想を飛躍させ、そこから答えを考え出す。
構想(Kousou)
構想>コンセプト/ビジョン>戦略>事業計画
リアル経済、グローバル経済、サイバー経済、マルチプル経済の4つの経済空間を繋いだ事業のイメージ化を描く
◎構想はコンセプトやビジョンより一つ大きな概念
◎構想は「見えないもの」を個人の頭の中で整理すること
感情移入
どんぶりとセグメンテーション
時間軸をずらす