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池上彰のやさしい経済学 1.しくみがわかる 著:池上彰

経済学=稀少な資源をどう選択するのかを考える=資源の最適配分を考える

何かを選択するということは、それ以外のこの(=機会費用)を捨てているということ

 

お金というのは、みんながお金だと思っているからお金(=共同幻想)

 お金は信用を数値化したもの

狩猟採集民族による、物々交換・交易

→腐敗せず客観的な尺度、価値の相対化が必要になる

日本:稲や布、中国:貝、古代ローマ:塩が交換媒介に

→保存性、希少性の問題

金、銀、銅の硬貨のはじまり

→持ち運びに不便、盗難防止

証書としての「紙幣」と銀行としての「両替商」のはじまり、硬貨との交換が可能で、証書で支払えるようになる

→悪質な銀行の出現、国全体での信用が必要

中央銀行の誕生、金を裏付けとして兌換紙幣を発行する金本位制度のはじまり

→1971年ニクソンショック(金ドル交換(=ブレトン・ウッズ体制[金とドルの交換を前提とした固定相場制])停止)により変動相場制がはじまる

お金は信用を数値化したものであるバーチャルなものになり、本来の共同幻想に近づく

ex)クレジットカード、電子マネー

 

アダム・スミス

みんながそれぞれ勝手な行動を取っているが、他人から「同感」が得られる限り社会的に正当だと認められて社会秩序は保たれている。

 

重商主義

〈輸入〉国←貴金属(硬貨):富の蓄積

〈輸出〉国→貴金属(硬貨):富の流出

これを批判

〈輸出〉国←生活必需品や便益品などの消費財:国を豊かにする富の蓄積

貿易における自由な輸出を奨励

☆資源の無駄遣いを避けるために弱い産業に富を割かずに強い産業に自然にお金が流れることをよしとする。→資源の最適配分(=アダム・スミス市場経済、自由競争、市場経済の自動調節機能)

 

マルクス

資本主義における社会の富は巨大な商品の集合体(商品ひとつひとつが社会をつくる考え方)←資本主義を知るために商品ひとつひとつを分析

商品の2つの価値①使用価値②交換価値(=労働力{の価値})(=労働者に支払われる賃金)

【前提】資本家と労働者は対等

資本家が労働者を雇って働かせることによって利潤が生まれる(=労働価値説)→ 利潤を投資→資本家の規模拡大

交換価値(=労働力{の価値})(=労働者に支払われる賃金)=労働力の再生産費

労働者が生み出すモノ→賃金=(必要労働による)再生産費+(余剰労働による)利潤

本来対等な関係である資本家が労働者から利潤を搾取、両者の格差は拡大

 

低賃金雇用を目指す→必要労働時間を削減、機械化→労働生産性の向上

→過剰労働人口、失業者の増加、両者間の格差の拡大→労働者から資本家への革命→資本主義の崩壊→計画経済、社会主義の誕生→消費財の供給多過、資源の無駄遣い→社会主義共産主義の崩壊

 

ケインズ

1929年世界恐慌→失業者増加、税収激減

不況の社会にでも存在する働きたくても働けない「非自発的失業者」を救済して仕組みづくりによって景気を良くしていく→政府が借金をしてお金を出すこと(=赤字国債)で雇用を生み出す公共事業→収入を手にした労働者が景気を向上させるためにどうするか?

①消費性向を高める→乗数効果[公共投資で需要をつくり、国民所得を増やす効果]を向上させる、インフレという副作用

②貯蓄性向を抑える→累進課税によって高所得者の貯蓄性向を抑える→所得の再配分

①と②でビルト・イン・スタビライザー(=資本主義経済における景気の自動安定化装置)

 

利潤率が利子率よりも高ければ企業は銀行から融資を受けて事業に投資→不況時、金利を落とす→ゼロ金利in日本→景気回復せず「=流動性の罠」→ゼロ金利で、高い流動性にも関わらず、企業の投資が伸びない

⇐先行きが不安で将来に展望がないから

 

フリードマン

国民と経済の自由を尊重、経済をコントロールするために「お金の量」をコントロールマネタリズム

①農産物の買取保証価格制度は不必要

大量出荷の金持ち農家が儲かり、貧乏農家が収入を得られない

②輸入関税、輸出制限は不必要

良い物を買う権利を奪うことと輸入関税をかけなければ守れない産業は効率が悪い

③家賃、物価、賃金統制は不必要

モラルハザード[節度のない利益追求に走るような責任感や倫理性に欠けた状態]の防止

家賃が上がれば儲かるので物件の建設と新規参入が進み、供給が間に合うので家賃は自然に下がっていく。

最低賃金制度は不必要

最低賃金制度があると、その分しか給料が払えないので、採用を控える→失業者が増える

社会保障制度は不必要

個人の所得を自由に使う権利を侵害している。自分が働いている間に自分が増やせばいい。

⑥事業や職業に関する免許は不必要

・本当に医者が診なければいけない患者に十分な時間を割くことができない→問題が起きれば法で裁いて取り締まる

・教え方が上手ければ自由競争になり教師の質が上がる

⑦民間の郵便事業の禁止、公営の有料道路は不必要

民営化によるサービスの向上

☆強い立場、有能な人の論理であって、弱者には成り立たない可能性がある問題点

 

リカード

比較優位[自国で生産性の高いものの生産に特化し、ほかのものは他国から輸入することでより多くのものを得ることができる考え方]→得意分野に特化し、貿易によって再分配することで、双方の消費量を増やすことができるのでお互いの利益が高まる→国際貿易は双方に利益があるという経済理論

 

1929年の世界恐慌時に保護貿易に走り失敗した各国の反省によって、第二次世界大戦GATTWTOの誕生

(GATTにおけるウルグアイ・ラウンドは別記事に記載)

→貿易ルール作りの効率化→FTAEPAの動きが拡大

 

TPP:太平洋を取り巻く国々が戦略的にお互い経済で提携していけるように関税をなくしたり、金融商品を自由に売買できるようにしようという協定

 

韓国が様々な国々とFTAを結ぶ動き→近年の海外市場における韓国製の電気製品の台頭

→日本政府がTPPに参加する流れに

自国産業を守るために農林水産省をはじめとした農業団体と経済産業省やメーカーとの対立

有事時の農産物の輸入ストップに対するリスクヘッジと産業の空洞化の対立構造

 

以上

 

p.s

中学→歴史以上に生活に密接にしてる分野を公民教科として後回しにして受験対策のためにものすごい速さで消化させられた。

高校→ほとんどの人間はセンター試験で必要でそこで大事なのは歴史的な背景を根拠とした論理の流れなのに、詰め込みばかりさせられてよく理解しないまま断片的に用語だけ覚えていたのでテストが終わるとすぐ忘れる。

池上彰は論理を順におって説明して超わかりやすいけど自分みたいな無知は染まっちゃうから持論は無視

枠組みを学ぶ導入教材としてとても優れていると思った。